岸田文雄内閣は6月16日、「経済財政運営と改革の基本方針2023」(以下、「骨太方針2023」)を閣議決定しました。今回は、それの少子化対策・こども政策と社会保障・医療制度改革方針を検討します。前者は、6月13日に閣議決定された「こども未来戦略方針」とワンセットです。これらと、財務省・財政制度等審議会が5月29日に取りまとめた「建議」、昨年の「骨太方針2022」、及び昨年12月に公表された「全世代型社会保障構築会議報告書」(以下、「構築会議報告書」)の記述との異同に注目します。
結論的に言えば、少子化対策・こども政策のメニューは相当拡充されましたが、財源確保策はまたも先送りされました。社会保障・医療制度改革は今年度も新味に欠けますが、「かかりつけ医機能の強化」については、医療法改正で決着がつき、その枠を超える改革は当面行われないことが確認できます。