中央社会保険医療協議会は6月21日に開いた薬価専門部会で、2024年度の次期薬価改定に向けた主な課題と議論の進め方の案を了承した。7月以降、新薬や長期収載品、後発医薬品などの各論について検討を重ね、12月中に次期薬価改定の骨子案をとりまとめる。その過程で、薬価算定組織からの意見聴取や関係業界からのヒアリングも実施する。
部会における主な検討課題として了承されたのは、①「新薬創出・適応外薬等解消加算」や長期収載品に関する薬価算定ルールの見直し、②革新的新薬の日本への導入状況や安定供給上の課題も踏まえた、これまでの薬価制度改革の検証、③調整幅のあり方、④診療報酬改定がない年の薬価改定(中間年の薬価改定)、⑤感染症治療薬のように市場規模の推計が困難な疾患を対象とした薬剤における薬価算定方法等や、緊急承認された医薬品の本承認時における薬価算定の方法等、⑥医薬品の安定供給の確保やドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスを解消するための方策―など。
また同日の部会と総会では、23年度薬価調査の実施案も了承された。23年度中の1カ月間の取引分(通常は9月取引分)を対象に、品目ごとの販売・購入価格や販売・購入数量などを把握する。販売サイド調査は医療機関・薬局に医薬品を販売する医薬品卸売販売業者の営業所等の全数(約6700客体)を対象に実施。購入サイド調査は、医療機関等の全数から一定率で客体を抽出する。抽出率と客体数は、病院が約410客体(抽出率:1/20)、診療所が約530客体(同:1/200)、薬局が約1030客体(同:1/60)となっている。
例年通りのスケジュールで進めば、12月初旬には薬価調査結果の速報値として、薬価と市場実勢価格の平均乖離率が報告される見込み。それを受けて、24年度予算の編成過程における大臣折衝で次期薬価改定の改定率が決定する。