厚生労働省は9月27日の「電子処方箋等検討ワーキンググループ」に、電子処方箋へのリフィル処方箋などの機能追加時期の見直しを報告した。当初は23年10月を予定していたが、システム改修が間に合わないことなどから23年12月〜24年1月頃に延期する。
リリース時期を延期するのは、(1)重複投薬等チェックにおける口頭同意、(2)リフィル処方箋への対応、(3)マイナンバーカードを活用した電子署名―の3つの機能。このうち(1)は、医療機関や薬局でのオンライン資格確認時に患者が過去の薬剤情報の提供に同意しなかった場合などに活用する機能。電子処方箋には併用禁忌や重複投薬のチェック機能が搭載されているが、現行のシステムでは医療機関等での受付時に患者の同意が得られなければ、過去の薬剤情報を閲覧して対象薬剤の有無を確認することができない。そこで、医師や薬剤師が診療時等に改めて口頭で患者の同意を取得した場合には、これが可能になる機能を追加する。
口頭同意とリフィル処方箋の機能については、電子処方箋のモデル地域や早期導入施設等を中心に先行導入し、問題点や課題を洗い出して改善につなげていくためのプレ運用期間を設ける。この期間も当初は24年4月頃までの予定だったが、同年5月末までの延長を決定。24年度から後ろ倒しされることになった診療報酬改定の施行時期に合わせ、6月1日からの本格運用を目指すことになった。
その際、リフィル処方箋に関しては、患者が自ら対応施設を確認できる仕組みづくりも進める。リフィルの電子処方箋で実際に繰り返し調剤を受けるには、医療機関と薬局の双方がリフィルの電子処方箋に対応する施設であることが必須条件になるためだ。具体的には、リフィルの電子処方箋に対応する医療機関・薬局に医療機関向けポータルサイトからの申請を求めることにより、厚労省が対応施設を把握。同省のホームページで対応施設の一覧を公表するほか、お薬手帳のアプリベンダ等にも情報を提供し、患者自身がアプリ上で確認できるようにする。