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医療の規制緩和拡大に反対決議 - 中央・行政主導の医療体制再編にも強い反発 [近医連総会]

No.4717 (2014年09月20日発行) P.10

登録日: 2014-09-20

最終更新日: 2016-11-17

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【概要】近畿医師会連合は14日の総会で、医療の規制緩和拡大の動きに反対する決議を採択した。地域医療提供体制改革の方向性については行政主導の手法に懸念の声が上がった。


●日医了承の「患者申出療養」にも反対
京都市で14日に開かれた定時委員総会において採択された決議は、政府の「成長戦略」で医療が成長産業に位置づけられたことを強く問題視している。
国家戦略特区内での過度な規制緩和は「国民皆保険の空洞化」につながると危惧し、医学部新設には「指導医引き剥がしによる地域医療の弱体化を招く」として反対。新たな保険外併用療養の仕組みとして創設が決まり、日医も了承している「患者申出療養制度」に対しても、「形を変えた混合診療拡大策」に他ならないとして、導入に断固反対を表明した。
6月に成立した「医療・介護総合確保推進法」については、民間主導で進んできた医療提供体制の再編を「行政主導にて全国一律の再編へと導く政策が盛り込まれている」として懸念を示している。
決議の採択を前に挨拶に立った森洋一京都府医会長は「中央は『地方のことは地方で』と言いながら、ガイドライン(GL)や省令で我々の裁量の幅を狭め、自分たちの思い通りに医療を変えようとしている」と述べ、厚労省の政策手法を牽制した。

●行政と仲良くなければ「ババを引く」
医療提供体制改革の中で、厚労省がGLで方向性を示すとしているものの1つが、2025年の地域医療の将来像となる「地域医療ビジョン」だ。同日、総会に先立ち開かれた分科会では、来年度にも「地域医療ビジョン」を策定する府県との折衝状況を各医師会の担当理事が報告した。
大阪府医と和歌山県医は「会内では課題を検討しているが、行政との協議はまだ始めていない」と報告。奈良県医は、ビジョンの内容を検討する知事直属の協議会に医師会員が参加できず「県の担当者に後で聞いたら教えてもらえる」状況。兵庫県医と滋賀県医は、県がビジョンの策定後に協議するという方針で、事前協議に入りにくいと説明した。
一方、今年4月から会内の委員会に行政のビジョン担当者が参画している京都府医は、「地元行政との関係が良くないと、医師会はビジョンを策定した役所から、地域医療の再編や利害調整という最後に“ババ”を引く役だけ丸投げされる」と指摘。病院団体と事前協議を重ね、地域の医療関係者が一丸になった上で行政との協議に臨むことが重要だと訴えた。

【記者の眼】採択された決議や森氏の言葉からは「お上の言いなりにはならない」「地元の医療は我々が守る」という強い気概が感じられる。一方で、2025年の医療体制の将来像となる「ビジョン」策定という大事業を前に、「地元のお上」との連携に医師会が難渋している姿も垣間見えた。(F)

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