中央社会保険医療協議会は2月14日、2024年度診療報酬改定について武見敬三厚生労働大臣に答申した。改定の最重要事項である医療従事者の処遇改善では、40歳未満の勤務医や事務職員等の賃上げ対応分として、「初診料」を3点、「再診料」と「外来診療料」を2点引き上げることが決まった。入院料全般も同様に引き上げる。告示等の発出は3月上旬の見込み。
改定後の評価は、「初診料」291点、「再診料」75点、「外来診療料」76点。賃上げ措置分に加え、外来診療時の標準的な感染防止対策のコストも含んだ引き上げ対応となっている。入院料も同様に引き上げ、たとえば「急性期一般入院料1〜6」は1688〜1404点(現行1650〜1382点)、「地域一般入院料1〜3」は1176〜1003点(1159〜988点)となる。
これに対して看護職員などの医療関係職種の賃上げは、基本診療料の加算新設(ベースアップ評価料)で対応する。このうち「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」は、初診時6点、再診時2点、訪問診療時は28点(同一建物居住者等は7点)に設定された。
無床診療所で、同評価料による見込み収入額が賃上げ対象職員の給与総額の1.2%に満たない場合は、さらに「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)」の上乗せが可能。点数設定は、「評価料(Ⅱ)1」(初診・訪問診療時8点、再診時1点)から「評価料(Ⅱ)8」(初診・訪問診療時64点、再診時8点)までの8区分となった。
「入院ベースアップ評価料」の評価区分は、当初の想定の150区分よりも多い、165区分となった(1〜165点まで1点刻みの点数設定)。
算定区分が複数ある「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)」と「入院ベースアップ評価料」の算定対象施設は、毎年3、6、9、12月に所定の算定式で該当する算定区分を判定し、区分に変更が生じた場合は、原則として地方厚生局等への届出を行う必要がある。
医師の働き方改革では、「地域医療体制確保加算」の施設基準に医師の休日・時間外労働の基準値を追加。B及び連携B水準に該当する医師の年間の休日・時間外労働時間数が、24年度は1785時間以下、25年度は1710時間以下であることを必須とし、基準を超える医師がいる場合は、その理由、改善のための計画の院内掲示とホームページ等への掲載を求める。
▲答申書を提出する小塩隆士中医協会長(左)