厚生労働省の「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会」は4月12日、かかりつけ医機能報告の制度設計や運用などに関する論点案を了承した。次回以降、論点に沿った本格的な議論を開始し、今夏を目途にとりまとめを行う。次回会合には、かかりつけ医機能報告の事務局案が提示される見通しだ。
かかりつけ医機能発揮のための制度整備は、医療機能情報提供制度を通じた国民・患者への情報提供と、かかりつけ医機能報告の創設が大きな柱。このうち後者のかかりつけ医機能報告は、病床機能報告、外来機能報告に次ぐ仕組み。医療機関が自院単独または他院との連携で担っているかかりつけ医機能を、都道府県へ報告してもらうもの。
報告内容は、①日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能の有無、②時間外診療、入退院支援、在宅医療、介護との連携などの機能の有無―などを想定。医療機関からの報告内容は、患者・住民への情報提供と、地域においてかかりつけ医機能を確保するための施策の両方に活用する。
12日の分科会で了承された論点案は、(1)施行に向けて省令やガイドライン等で定める必要がある事項、(2)かかりつけ医機能が発揮されるための基盤整備、国の支援のあり方など、(3)医療計画に関する事項―で構成される。(1)では、かかりつけ医機能報告の報告項目や報告医療機関の範囲、地域における協議の場の進め方など、主にかかりつけ医機能報告の制度設計や運用について検討。(2)では、かかりつけ医機能を担う医療機関を確保するための方策として、医師の教育・研修の充実や地域連携推進法人制度の活用、医療DXによる情報共有基盤の整備などを議論する。
分科会では、「日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能」を、どのような形でかかりつけ医機能報告の報告項目に落とし込むかが議論になった。構成員からは、「患者から見て分かりやすいように対応できる症候(発熱に対応できるかなど)の報告を求めてはどうか」といった意見の一方で、「必ずしも診療や治療の実施を求める必要はなく、どのような患者からの相談にも対応するという点を重視すべきではないか」といった意見も出された。