全国保険医団体連合会は、4月3日に衆院本会議で審議入りした医療法等改正案について、今国会で拙速に採決しないよう求める要望書をまとめ、4日付で関係閣僚や国会議員に送付した。
医療法等改正案は、オンライン診療の法制化、地域医療構想の見直し、医師偏在対策、医療DXの推進などを盛り込んだ包括法案。政府は今国会での成立を目指している。
要望書は、医療法等改正案は「主な関連法だけで24本の法案を束ねた法案となっている」とし、「本来、項目ごとに十分に時間をとって審議すべき」と指摘。
法案内容については、特に、オンライン診療を受ける専用施設として医療法に規定する「オンライン診療受診施設」を、医療提供施設とは異なるため「医療安全管理が曖昧になる事態が危惧される」と問題視。「(同施設を)医療提供施設と位置づけ、コメディカル配置を含め医療安全管理、感染対策などの規定を設けること」「(設置場所を)郵便局・公民館などの公共施設や薬局に限定すること」などを求めている。
また、オンライン診療は「対面診療を補完するもの」として制限的に規定すべきとし、「初診からのオンライン診療の禁止」も求めている。
医師偏在対策については、外来医師過多区域に対し「負の動機づけとなる診療報酬上の対応」が想定されているとし、「地域別診療報酬」(1点単価変動など)を導入しないよう要望。医師偏在対策は「インセンティブを軸に」進めるべきとしている。