ノーベルファーマは、1日1回投与の低亜鉛血症治療薬「ジンタス」(一般名:ヒスチジン亜鉛水和物)の承認取得を受け、6月4日に都内でメディア向けセミナーを開催した。ジンタスの特徴について説明するとともに、順天堂大と共同で行った国内初の「亜鉛欠乏症大規模調査」の結果を発表した。
ジンタスはヒスチジンとの亜鉛錯体で、活性本体は従来薬の「ノベルジン」と同じ亜鉛。亜鉛イオンによる悪心・嘔吐などの直接的消化管系副作用を低減させ、1日1回投与を実現した。
セミナーで講演した順天堂大総合診療科学講座先任准教授の横川博英氏(写真)は、ジンタスが1日1回投与であることを高く評価し、「経験上1日2回の薬は飲み忘れが多いが、1日1回の薬に切り替えると一気に飲み忘れが減る」とアドヒアランス向上に期待を示した。
横川氏は調査結果について、解析対象となった1万3100人の患者のうち、3人に1人(34.8%)が亜鉛欠乏症(血清亜鉛80μg/dL以下)だったと説明。誤嚥性肺炎、褥瘡、サルコペニア、慢性腎臓病を併存する患者は50%以上が亜鉛欠乏症だったと指摘し「高齢患者の亜鉛欠乏の頻度は非常に高い。十分に配慮した治療をお願いしたい」と訴えた。
「ジンタス」の用法・用量
成人及び体重30kg以上の小児では、亜鉛として、1回50~100mgを開始用量とし1日1回食後に経口投与(血清亜鉛濃度や患者の状態により適宜増減するが、1日1回150mgを超えないこと)