熊本地震の被災地における日本医師会災害医療チーム(JMAT)の医療支援活動に関して、日医の横倉義武会長(写真)は20日の会見で、「避難所や生活の場での医療の提供はもちろん、避難所の衛生管理に対し医療職の立場からのアドバイスが望まれる」と述べた。
JMATは21日15時現在、53チーム、計215人が熊本市、益城町、宇土市、南阿蘇村で健康管理や感染症予防などに従事。少なくとも59チーム、241人が派遣に向けて準備をしている。
横倉会長はまた、「避難所が認知症の発症を促進する環境になっている。高齢者の健康・生活管理が課題となる」と指摘。行政・医療職に対しプライバシー保護、適度な運動の実施の指導を求めたほか、家族の支援が受けられない者については「施設による受け入れも考えてほしい」とした。
医療支援については20日の段階では不足も指摘されているが、石井正三常任理事によると、「東日本大震災では支援の量や期間のコントロールが難しかったが、今回は行政の中に医師会が入り、かなり制御できている」という。
石井常任理事は「余震が続いているが、ライフラインが復旧すれば被災地の医療機関が診療を再開し、医療不足も改善に向かう」との見方を示した。