11月3~4日、「叡智の伝承」をテーマに横浜市で開催される第61回日本生殖医学会学術講演会・総会の会長を務める。「不妊のほぼ半分は男性にも原因があるとされていますが、生殖医療専門医である泌尿器科医は非常に少なく、1人もいない県もあります。学会では、『体外受精胚における遺伝子発現制御』『配偶子幹細胞の基礎研究フロンティア』など最先端の研究報告やトピックを取り上げつつ、男性不妊の問題を議論する場も設けました」
学会会期中に開くフォーラムでは、精索静脈瘤手術と顕微鏡下精巣内精子採取術の麻酔と手術技法を取り上げる。精索静脈瘤は手術で妊孕性の改善が期待できるが、医療者でもそのことを知らない人が多く、疾患への対応が遅れているからだ。
日本産科婦人科学会の報告によると2014年の体外受精での出生児は4万7322人。約21人に1人が体外受精で誕生している。「一方で、生殖医療の現場では、無精子症の男性の父親の精子を使っての顕微授精、代理出産など、倫理面が問われる問題が出てきています」。そういった問題の1つとして、学会では、「わが国における子宮性不妊に対する治療のあり方~子宮移植vs代理懐胎」をテーマにしたシンポジウムも企画している。
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