医師の働き方に関する大規模調査の結果が6日、公表された。勤務医のうち男性の3割、女性の2割が週60時間以上勤務している実態や、勤務医の約4割が地方で勤務する意思を持っていることが明らかになった。
この結果は、厚生労働科学特別研究「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」によるもの。調査は昨年12月8~14日、全国の勤務医約10万人を対象に調査票を配布し、①出身地、出身大学、家族構成などの属性、②キャリア意識、③将来の勤務地に関する意向―などを尋ねたほか、1週間の「診療」「診療外」「当直・オンコール」の時間を30分単位で記録するタイムスタディも実施。計1万5677人から回答を得た。
1週間の勤務時間(診療+診療外)をみると、年代が上がるにつれて減少していく傾向が認められた(表)。20代(常勤)の男女合わせた平均は55時間程度で、「当直・オンコール」のうち待機時間は男性が約16時間、女性は約12時間だった。診療科別(常勤)では、救急科(55.9時間)、外科系(54.7時間)、臨床研修医(53.7時間)などで勤務時間が長い傾向がみられた。 常勤のうち、勤務時間が週60時間を超える者の割合は、男性では27.7%、女性では17.3%だった。週40時間を超える勤務を「時間外労働」とし、過労死ライン(時間外労働が月80時間以上)に照らして考えると、男性の約3割、女性の約2割は健康障害リスクを冒して勤務していることが示唆された。
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