厚生労働省の「生活保護受給者の健康管理支援等に関する検討会」(尾形裕也座長)が7日、生活保護受給者の健康管理支援事業を新たに立ち上げることや、そのマニュアル作成の必要性を盛り込んだ「議論のまとめ」を大筋で了承した。厚労省は具体化に向けたワーキンググループ(WG)を立ち上げ、2018年の通常国会での生活保護法改正を目指す。
厚労省によると、受給者の約9割が何らかの疾病により医療機関を受診している一方で、健診受診率は約10%にとどまる。このため検討会では生活保護受給者の健康支援の方策を議論してきた。
「議論のまとめ」では、福祉事務所が主体となり、かかりつけ医やケースワーカーなどが協働しながらデータに基づく生活習慣病予防・重症化予防のための健康管理支援事業を実施することが必要と指摘した。
具体的には、40歳以上74歳以下の受給者について健診や生活状況などのデータを収集。特定健診で行う検査項目を含む検査を医療機関で受けている者は、検査データを医療機関から入手するとしている。その上で、特定健診の階層化基準と同様の基準で生活習慣病の予備群・該当者を抽出し、「支援の効果が期待しやすい者」「身体的に緊急性が高い者」「社会的な必要性が高い者」について、優先的に具体的な支援を行うとした。