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国立大学医学部長会議が全国市長会に反論【新専門医制度】

No.4857 (2017年05月27日発行) P.15

登録日: 2017-05-19

最終更新日: 2017-05-25

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国立大学医学部長会議は17日に会見を開き、新専門医制度に対する全国市長会の懸念に対し「重大な事実誤認がある」とする反論文を公表した。

全国市長会は先月、「新制度により大学病院や大病院の所在地以外の地域は医師不足が助長される」などと主張した緊急要望書を塩崎恭久厚生労働相に提出。さらに要望書では「若手医師たちに義務的に医局生活を強いる理不尽」との項目を立てて、基幹施設で医療倫理の教育や学会での論文発表が履修項目となっていることについて「過剰」と批判していた。

これに対し、国立大学医学部長会議の反論文は、「国立大学医学部42校のうち、29校は県内唯一の医育機関であり、過去数十年にわたって地域医療振興に貢献してきた」と強調した上で、「今日の医師配置の地域格差を生んだ根本原因は新医師臨床研修制度」と指摘。同制度の改革をしない限り、地域の医師不足が根本的に解決されることはないとの見解を示した。

医療倫理や論文発表についても「過剰な履修項目には当たらない」と反論。「医療倫理は医師にとって必須の学習項目」「論文を書くことで自分の行っている医療を深く論理的に考える力を養い、それが治療のレベルを向上させるために役立つ」と主張した。

会見で同会議常置委員会の内木宏延委員長(福井大)は「我々国立大学も地域医療に責任があり、行政と意見交換をしながら地域医療を担っている」と話し、「(今後も)理不尽に基幹施設に(医師を)引き揚げることのないよう精一杯努力する」との考えを述べた。

「医局生活がネガティブに捉えられていることに違和感を覚える」と話す内木氏

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