厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」が12日に開かれ、日本専門医機構の「専門医制度新整備指針」の運用細則改訂案に一部構成員が強く反発した。一方、基本領域7学会の地域医療等への配慮については概ね評価する声が出た。
会合で専門医機構理事長の吉村博邦構成員は、このほど改訂した専門医制度新整備指針(用語解説)とその運用細則の改訂案を報告。運用細則の改訂案では、女性医師等への配慮として、研修カリキュラム制を認めるなどの「柔軟な対応」が確実に行われるよう、基幹施設に専攻医からの相談窓口を設けることなどを明示。行政、大学、医師会、病院団体等で構成し、各地域で研修プログラムを承認する都道府県協議会に関しては、ローテート内容等の情報提供について「機構は基本領域学会や研修施設群と協同して協議会の求めに協力することができる」などとしている。
新整備指針の改訂に異論は出なかったが、細則の改訂案に対しては荒井正吾構成員(奈良県知事)が「全く受け入れられない」と猛反発。「研修施設による専攻医の囲い込みを防ぐには、協議会による研修プログラムの事後チェックが重要だが、協議会の実効性が担保されていない」と問題視した。吉村氏は「十分に検討したい」と述べ、細則の修正に応じる意向を示した。
都道府県協議会については「あまり機能していない」との指摘があるため、厚労省は近く都道府県に対し通知を発出し、機能強化を求める方針。
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