診療行為に関連した死亡事例の原因究明と再発防止を図る「医療事故調査制度」の実施に向けて、日本医療安全調査機構(代表理事=高久史麿日本医学会会長)は25日の運営委員会で、「法制化されるにあたっての提言(暫定版)」をまとめた。機構を発展的に解体・再編し、全国に1組織設置される「第三者機関」を担う用意があるとしている。
医療事故調査制度は今国会に提出された「医療・介護総合確保推進法案」に盛り込まれた。民間の第三者機関が医療機関の院内調査を収集・分析する。2015年10月から実施予定。
提言では、機構は10年の発足時に、「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」を日本内科学会から引き継いでいることから、第三者機関を担うことについて、「8年に及ぶ医療事故調査の蓄積と多数の専門家の努力と経験を活かす道」と強調した。
このほか運営委員会では、厚労省の担当官が、法案成立後すぐに院内調査の実施事項など実務的な検討に入り、1年後にガイドラインとしてまとめる考えを明らかにした。