厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」(遠藤久夫座長)は9日、このほど来年4月スタートの方針が正式表明された新専門制を巡り、日本専門医機構の対応や都道府県協議会(用語解説)の実効性について議論した。厚労省は、各都道府県に対し協議会の確実な開催を求める方針を表明。さらに、協議会の実効性を担保するため、設置根拠を医療法に位置づけることも視野に、秋以降に議論する可能性も示唆した。
新専門医制度に関しては、塩崎恭久前厚労相が2日に談話を発表。機構と学会に対し、専攻医の応募・配属の状況を報告するよう求め、地域医療への懸念が生じた場合には、厚労省からも機構と学会に実効性ある対応を要請するとした。
9日の会合では、医師で福島県相馬市長の立谷秀清委員(全国市長会)が「プログラムの内容に問題があっても、機構に物申せるような協議会ばかりではない」と述べ、実効性を疑問視。協議会のみに地域医療への影響の検証を求めることに「中央と地方で意識の隔たりがある」と指摘した。
これに対し、参考人として出席した専門医機構の松原謙二副理事長は「協議会で問題が生じた場合には機構が責任を持って対応し、厚労省にも相談する」と回答。厚労省医政局の武井貞治医事課長も、①協議会で調整がつかない場合は機構に調整を依頼する、②改善できなければ厚労省が支援する、③それでも問題が解決しなければ、同検討会の議論を踏まえ機構と学会に対応を求める―と説明した。