タカラバイオと珠玖洋三重大教授らのグループは10日、T細胞受容体(TCR)遺伝子治療技術を用いた固形癌治療薬では国内初となる医師主導臨床研究の計画届を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したと発表した。
TCR遺伝子療法は、癌患者から採取した細胞傷害性Tリンパ球を大量培養し、癌抗原を特異的に認識して攻撃するTCR遺伝子を導入してから患者に輸注、癌細胞の消滅を目指すもの。
試験の対象は、再発難治性の固形癌患者のうち、腫瘍細胞にMAGE-A4抗原を有し、HLA-A*24:02陽性を示している12人。主要項目として遺伝子導入するTリンパ球の安全性と体内動態、副次項目として腫瘍縮小効果を評価するとしている。
試験はPMDAの審査・承認を経て、3月から2年間にわたり実施される予定。