厚生労働省の「地域医療構想に関するワーキンググループ」が26日に開かれ、病床機能報告の基準の見直しについて検討を始めた。厚労省は2018年度の報告から新しい基準を反映させたいとしている。
医療機関は毎年、病棟単位で医療機能の現状と今後の方向について、定性的な基準を目安として高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4医療機能から選択し、都道府県に報告している。しかし、各機能を区分する基準があいまいで、報告内容の妥当性の評価や実態把握が難しいことから、定量的な基準の導入が課題となっていた。
同日のWGで厚労省は、定量的な基準の候補として「入院してからの在院期間」に着目。国立がん研究センターの石川ベンジャミン光一参考人が、診療報酬の入院料と在棟期間に関するデータを提出した。これに対し、日本医師会の中川俊男構成員は「どの機能を報告しても診療報酬には影響しないと中央社会保険医療協議会でも繰り返し言ってきた。この表現では誤解を招く」と反発。一方で、健康保険組合連合会の本多伸行構成員は「診療報酬とは切り離して考えることを前提に、定量化した客観的データを出す必要性は感じる」と指摘。厚労省はこれらの意見を踏まえ、定量的な基準のあり方について議論を深める姿勢をみせた。
厚労省はまた、報告と提供している医療機能に明らかな疑義がある病棟を対象に、その理由を調査することを提案。構成員から異論は出なかった。