日本医療労働組合連合会(医労連)はこのほど看護師の「2017年度夜勤実態調査」の結果を発表した。勤務間インターバル「8時間未満」が約5割を占めていることが分かった。
調査は、医療機関で働く看護職員等の夜勤実態を全国規模で把握することを目的として毎年実施。医労連加盟組合のある医療機関で24時間交替制勤務を行っている施設を対象に6月分の勤務実績を調査した。回収数は402施設、3045職場で、看護職員10万4672人、看護要員11万8368人だった。
調査結果によると、最も短い勤務間隔は「8時間未満」49.0%(同48.0%)、「12時間未満」15.7%(同16.4%)、「16時間未満」31.8%(同30.2%)で、疲労が回復しない「8時間未満」が約5割を占めていることが判明した。
2交替病棟夜勤時間では、16時間未満夜勤が56.9%(前年度44.9%)と増加し、16時間以上夜勤は43.1%(同55.1%)に減少。前年度より長時間夜勤の状況は改善しているとして評価しつつ、4割超の病棟が16時間の長時間夜勤になっていることから「患者の安全と職員の健康への影響が危惧される深刻な事態」と指摘した。
調査結果を受け医労連は「看護師は看護師である前に労働者」と強調。働き方の大幅な変革を求めた。また欧州などの先進諸国ではILO(国際労働機関)条約やEU労働時間指令により夜勤交替制労働者の健康と生活を保護していることを挙げ、「日本でも国際基準に照らした改善が求められる」と訴えた。その上で、「夜勤は3人以上・月6日(当面8日=64時間)以内」「1回の勤務は8時間以内」「夜勤後の時間外労働の禁止」「勤務間隔16時間(最低12時間)以上」など10項目の基本要求を列挙し、働き方改革の必要性を訴えた。