日本専門医機構は19日の会見で、今月15日に専攻医の二次登録を終了したことを報告した。登録人数は約570人弱で、一次登録者と合わせると約8500人が登録したことになる。機構は来月15日から三次登録を行う予定だが、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県の募集は終了するとした。
会見では、専攻医の登録が都市部に集中することを回避できたことも重ねて強調された。専攻医の登録に関して運用細則では、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県に専攻医が集中しないよう、医師数の減少している外科、産婦人科、病理、臨床検査以外の14基本領域については、専攻医の総数が過去5年の採用実績の平均値を超えないものと規定。その結果、一次登録の段階で規定の範囲内に調整することができたと昨年12月の会見で報告していた。しかし、機構がホームぺージで公表した「専攻医一次登録領域別採用数」に基づいて、東京に専攻医が集中したとの報道があることから、会見ではそうした報道に反論した。
松原謙二副理事長は、東京に専攻医が集中したとする記事が比較対象としている厚労省の三師調査について、調査に応じない医師が存在することから実態よりも8割程度の数値になると指摘し、三師調査との比較によって東京に集中したとの指摘は当たらないと強調した。さらに、機構の領域別採用数は専攻医が登録した基幹施設の所在地で表しており、実際の研修では関連施設をローテートすることを強調。「機構が発表しているのは本籍地(基幹施設の所在地)。しかし実際に研修するのは派遣先の関連病院なので、住所地は別になる」と指摘し、「専攻医がどこに派遣されているのか整理して(住所地が)分かるようにしてほしいと学会にお願いした」と明かした。
さらに松原氏は「内科専門医が激減した」との一部報道についても重ねて否定。現時点で内科専門医は2658人の登録があったことを説明し、「(減ったのではなく)増えなかった」と述べた上で、総合診療専門医に183人登録されていることから、「総合診療は内科の親戚なので、総合診療と(希望者が)相殺されたと認識している」とした。
総合診療専門医の登録人数については、地域枠の学生が約400人いることを紹介し、「元々200人前後と思っていたので、予想通り」との認識を提示。今後地域枠の学生が1600人まで増加していくことから、「総合診療専門医のスタートとしては教えやすく、良質の勉強ができると期待している」と話した。