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SECTION 1:まずは社会人としてのマナー

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  • 12 守秘義務を守る

    病状説明の相手は誰?

    「昨日,腹痛で救急外来を受診され,本日胃内視鏡検査をしたところ胃潰瘍が見つかりました。胃潰瘍の形がやや不整で,悪性腫瘍の可能性もあるため生検を行いました。胃潰瘍の治療をしながら病理検査の結果を見て今後の方針を決めていく予定になっています。また詳しくは後日にお話しできればと思います」

    若手医師のA先生は電話を切り,自分なりに要領よく話ができたと満足げな表情を浮かべています。それを横で聞いていた上級医のB先生が質問してきました。

    上級医B「どなたに電話でお話ししていたんですか?」

    若手医師A「患者さんの会社の上司です。昨日,病院に連れてきてくれた方です。優しそうな上司でした。とても心配されていました」

    上級医B「患者さんには上司の方に病状説明することに関して同意を得ましたか?」

    若手医師A「えっ?いいえ。特に何も聞いていません…」

    病状は患者さんの個人情報

    診療で知りえた患者さんに関する情報や秘密を他に漏洩してはいけないという守秘義務が医師にはあります。「患者さんと親密な関係にある」という理由で本人の許可なく他人に病状説明することは守秘義務違反になります。

    患者さんの同席,もしくは患者さんの許可がない場合には個人情報を気軽に話してはいけません。患者さんが望まなければ,家族にすら医師は勝手に病状を話してはいけないのです。病状というのはあくまでも「患者本人の個人情報」だということを忘れないように気をつけましょう。

    村田 健(永寿総合病院 総合内科 副部長)

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