株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

発熱

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2023-04-05
伊藤壮一 (麻生総合病院救急総合診療科部長)
    • 1
    • 2
  • next
  • ■治療の考え方

    発熱を主訴にした救急患者でも,生命に関わる場合がある。

    発熱を主訴とした敗血症(sepsis)によるショック状態は緊急治療を要する。

    緊急に解熱を必要とする病態は少ない。体温以外のバイタルサインを確認し,気道,呼吸,循環の安定化を優先する。

    発熱の原因としては感染症が最も多く,まずは感染症による発熱かどうかの判別が必要だが,非典型的な発熱疾患は鑑別に挙げる。

    ■病歴聴取のポイント

    発熱の主な原因として,①感染症,②悪性腫瘍,③膠原病,④薬剤性,⑤内分泌,などがある。救急受診に至った経緯,発熱期間,熱型(表1),生活歴,薬剤歴,旅行歴,などを問診する。

    発熱以外の症状の有無を確認する。

    感染性と非感染性を考慮しながら問診する。まずは,感染症として病歴聴取を行う。

    01_01_発熱

    ■バイタルサイン・身体診察のポイント

    【バイタル】

    バイタルサインを測定する。バイタルサインに異常があれば,まずその対処を行う。

    バイタルサインから,SIRS(systemic inflammatory response syndrome)の基準を満たすかどうか判断を行う(表2)。

    【身体診察】

    身体診察:感染源となるような門戸(眼,耳,鼻,口腔内,生殖器,尿道,肛門)の異常の有無を確認する。また,リンパ腺,肝臓,脾臓,腎臓などの触診も重要である。チューブ類(尿道カテーテル,胃瘻)などの感染源もチェックする。

    一般的検査:血液検査(血算)・生化学,尿検査,胸部X線,全身CT,血液培養,各種培養(尿,喀痰,便)などがある。

    特殊検査:髄液検査,プロカルシトニン(敗血症診断),抗核抗体(自己免疫性疾患),クォンティフェロン®TB-2G(潜在性結核)などがある。

    1190疾患を網羅した最新版
    1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中


    PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
    コチラより

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    page top