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肋間神経痛

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-20
田中信弘 (広島大学大学院医歯薬保健学研究科医歯薬学専攻医学講座整形外科学診療準教授)
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  • ■疾患メモ

    片側の胸腹部の肋間神経に沿って生じる発作的な疼痛で,深呼吸や咳で増強する。

    原因不明のものと,腫瘍やヘルペスなどの症候性のものにわけられる。

    様々な病気の初発症状の場合もあるので注意を要する。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    代表的症状は肋間神経が通過する胸椎から肋骨にかけての痛みである。背部から腋窩部,あるいは胸部,腹部に放散する痛みのことが多い。

    日常生活での体幹の捻りや深呼吸,咳などの際の肋骨の動きによって誘発されることが多く,突然発作的に生じる疼痛のこともある。糖尿病性胸腹部ニューロパチーの場合にも肋間神経領域の疼痛を生じるが,咳や腹圧で増強することはない。

    時に,狭心症・心筋梗塞・胃潰瘍などの内臓疾患に起因する場合もあり,痛みが心臓や胃の部分にも現れた場合には,早期診断・治療が必要となる。

    帯状疱疹による肋間神経痛の場合,感染初期には疱疹を認めない場合もあるので注意を要する。

    中高年女性の場合,骨粗鬆症のため,咳や弱い外力で肋骨や胸椎に骨折が生じて肋間神経痛を生じる可能性もある。この場合は,姿勢の変化で痛みが増強し,呼吸や物を持ち上げるときに痛むことが特徴である。

    【検査所見】

    肺炎,胸膜炎など炎症を伴う場合には,白血球やCRPなどの炎症反応が陽性となる。

    肋骨骨折,胸椎圧迫骨折の場合には,単純X線撮影で診断が可能であるが,初期には不明瞭な場合もある。

    胸椎MRI検査は椎間板ヘルニア,転移性脊椎腫瘍あるいは脊髄腫瘍などの病変の診断に有用である。

    脊髄圧迫による胸髄症を呈する場合には,下肢腱反射の亢進,体幹から下肢の知覚障害・筋力低下を認める。

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