後縦靱帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament:OPLL)は,椎間板の背側で脊椎椎体の後縁を連結する後縦靱帯が骨化・肥厚することにより脊椎管の前方から狭窄をきたし,脊髄または神経根の圧迫障害をきたす疾患である。頸椎OPLLは,男女比約2:1で男性に多く,40歳以上の中高年に好発する。OPLLは黄色靱帯骨化症とともに厚生労働省の指定難病とされている。
画像上OPLLを認めるものの無症状であることも多い。圧迫性脊髄障害の病理は,白質における側索の脱髄を中心とする脊髄伝導路の障害(long tract sign)と灰白質における前角細胞の変性,壊死に伴う脱落症状(segmental sign)を主とする。神経根症を呈する症例では,頸部痛,肩甲部痛,上肢痛が出現し,徐々に障害神経根領域のしびれ,筋力低下,知覚障害が生じる。脊髄の前角障害や神経根障害もしくはその複合で,知覚障害はないか,ごく軽度で筋力低下が主たる障害となる病態も存在する。
局所所見:連続型,混合型のOPLLなどでは可動域が制限される。神経根症では頸部の屈曲,伸展などで,頸部,肩甲部,上肢への放散痛などを伴うことが多く,脊髄症では上下肢に放散する痛みやしびれを伴うこともある。
神経学的所見:脊髄症を呈する症例では障害髄節の深部腱反射の減弱,筋力低下,索路徴候としてHoffmann徴候の陽性,下肢腱反射亢進,知覚障害,膀胱直腸障害などがみられる。神経根症を呈する症例では,Jacksonテスト,Spurlingテストの陽性所見,神経根障害に伴う深部腱反射の減弱,筋力低下,分節性知覚障害などがみられる。
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