膝関節は荷重関節でありながらその支持性のほとんどを靱帯に依存していることから,靱帯損傷をきたしやすい関節である。その主要な靱帯として,前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL),内側側副靱帯(medial collateral ligament:MCL),後十字靱帯(posterior cruciate ligament:PCL),外側側副靱帯(lateral collateral ligament:LCL)などがあり,中でもACL損傷の頻度が高い。
受傷機転の聴取が受傷部位を考える上で有用である。靱帯の不安定性をみる各種徒手検査のほか,関節外靱帯では圧痛点も診断に重要である。単純X線は靱帯そのものを描出することはできないが,裂離骨折などの合併損傷を確認するために第一選択の画像検査である。靱帯損傷の確定診断にはMRIが有用であり,同時に半月板損傷などの合併損傷も診断できる。
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