□一般臨床の場で遭遇する機会が多く,一般の救急診療で対応するか,耳鼻咽喉科の専門処置にゆだねるかの判断が大切である。
□原因疾患のない本態性鼻出血と,原因疾患や誘因が存在する二次性鼻出血にわけられる。
□抗凝固薬や抗血小板薬使用例における鼻出血が増加している。
□鼻をかんだ時に血が混じる程度のものから,実際に出血したが診察時には止血しているもの,診察時にも持続的に出血しているもの,出血の勢いが強く対側の鼻孔あるいは咽頭に血液が流下するものまで,重症度は様々である。
□ほとんどは鼻中隔前方のKiesselbach部位からの出血である。前鼻孔から出てくるが,鼻腔後方の蝶口蓋動脈領域あるいは上方の篩骨動脈領域からの出血では,前鼻孔からと同時に咽頭へ血液が下垂することが多い。
□出血量が多い場合は血圧低下,貧血をきたすため,まずはバイタルチェックを行う。
□耳鼻咽喉科医でなければ鼻腔内の出血部位の同定は困難であり,鼻翼圧迫,ガーゼタンポンなどの処置で止血しうるか否かで出血部位が想定できる。
□二次性鼻出血の原因として,高血圧,肝疾患,腎疾患,血液疾患があり,さらに抗凝固薬や抗血小板薬服用患者も出血の頻度が高くなるため,それらの原因精査のための血液検査を行う。
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