□一側または両側の声帯運動が障害された状態を言う。
□原因は,反回神経,迷走神経,脳幹疑核あるいはその上位中枢の障害である。
□何らかの手術による麻痺が約半数を占める。
□上喉頭神経外枝の単独麻痺では声帯運動が正常である。
□一側麻痺では,嗄声,嚥下障害,咳嗽をきたす。
□嗄声は気息性で失声に近い高度なものからごく軽度な嗄声まで,様々である。
□嚥下障害は軽度で一過性のことが多い。
□両側麻痺では無症状あるいは喘鳴(上気道狭窄)を生じる。
□舌咽神経,舌下神経の麻痺を合併するときは嚥下障害が高度である。
□声の聴覚心理的評価では気息性成分が強い。
□最長発声持続時間が短縮し,発声時平均呼気流率が増加する。
□嚥下造影検査では,嚥下後の麻痺側梨状陥凹に造影剤が貯留する。
□両側麻痺では,呼吸機能検査で上気道狭窄パターンを示す。すなわち,吸気速度・最大呼気速度の減少がみられる。
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