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嚥下障害[私の治療]

No.5276 (2025年06月07日発行) P.53

上羽瑠美 (東京大学医学部附属病院摂食嚥下センターセンター長/耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授))

登録日: 2025-06-08

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  • 嚥下障害は,嚥下の5期(認知期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期)が,様々な原因で障害されることにより生じる。原因疾患には,脳血管障害や,神経筋疾患,薬剤性障害などがあり,そのほか摂食障害や精神疾患がある。近年では加齢に伴う嚥下障害が増えており,2022年の厚生労働省人口動態統計では,誤嚥性肺炎による死亡数は4万人を超え(死因の6位),事故では「誤嚥等の不慮の窒息」が最多原因となっている。

    ▶診断のポイント1)2)

    • 嚥下障害は原因疾患により治療や対応が異なるため,背景疾患の把握が重要である。
    • 腫瘍性疾患や炎症性疾患などにより通過障害をきたす器質的嚥下障害と,解剖学的異常はないが食塊の搬送機能に異常がある機能的嚥下障害がある。
    • 上述した嚥下の各期の障害状況を適切に評価する。
    • 嚥下障害の評価では,嚥下障害のスクリーニング検査,嚥下内視鏡検査,嚥下造影検査,高解像度嚥下圧検査,嚥下CT検査などを行う。

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