著: | 二宮治明(鳥取大学医学部教授) |
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判型: | AB判 |
頁数: | 234頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2016年10月09日 |
ISBN: | 978-4-7849-4561-0 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
医療職をめざす人のための入門書
■ 初めて医学に接する学生のために、著者が工夫を凝らした講義ノート。人体の機能をイラスト付きで面白やさしく語りかけます。
■ 枝葉末節を省き、「大事なところだけ」しっかり解説。生理学が苦手な人も無理なく読み進められます。
■ 医学の入門書として、医療職を目指す人に最初に読んで頂きたい一冊です。
■ 看護、薬学、臨床検査など医療系各学科の1〜2年生におすすめします。
こんにちは、N教授です。
突然ですが、「ヒトの身体は何からできているか」と尋ねられたら、どう答えますか?
いろんな答え方ができるかと思いますが、「頭があって首があって胴体があって…」というのが解剖学の答え方ですね。「重さの半分以上は水で、残りが蛋白質、脂質、多糖類…」というのは生化学の答え方です。
それでは生理学では?
いろんな「系」ないし「システム」からできている、というのがその答え方です。具体的にどんな「系」なのかは目次を見ていただくとして、その「系」を構成する器官・組織の関係性に重点を置いて、全体としての機能を語ろうとするのが生理学の特徴です。構成要素をばらばらにしていこうとする解剖学・生化学とは反対の方向を向いています。
臨床との関連では、解剖学が外科系の基礎であるように、生理学は内科系の基礎であると言えます。「健康のありがたみは病気になって初めてわかる」ように、ある「系」の大切さは、その機能が障害されたときに初めて理解できます。言葉を換えると、正常機能の理解のためには、病態の理解が必須です。
本書は、私が鳥取大学医学部保健学科で生理学の講義に使用しているレジメそのものです。講義を担当して、今年でちょうど10年目になります。お付き合いしてもらっているのは、保健学科(看護学・検査技術科学)および生命科学科の1年生・2年生で、初めて医学の講義に接するという学生さんばかりです。
彼らを相手に、どうすれば生理学をおもしろいと感じてもらえるか。限られた時間のなかで、できるだけ枝葉末節を省いて、各々の「系」のエッセンスを語ろうとした結果が本書の内容となっています。また、正常機能の理解に役立つと思われる病態の知識を、できる限り織り込みました。
医療職をめざして生理学を学び始めた若い人たちに、本書が少しでも手助けになれば、こんなにうれしいことはありません。
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
※以下は第3刷(2021年3月発行)で訂正しました。
6ページ右段最終行および7ページ左段8行目
誤「膜電位がK+の平衡電位に等しくなるまで…」
正「膜電位が静止膜電位に戻るまで…」
7ページ右段4行目
誤「ー75mV」 正「ー84mV」
96ページ左段下から6行目
誤「皮膚や結合組織にくっついてる筋もたくさんあります。例えば、排尿・排便を我慢するときに収縮する尿道括約筋・肛門括約筋など。」
正「表情筋のように、骨にはくっついていなくて皮膚や結合組織にくっついてる筋もあります。」
175ページ左下図および右段9行目
誤「細胞性免疫反応」 正「免疫反応」
※以下は第2刷(2019年2月発行)で訂正しました。
30ページ コラム5行目
誤「頭位」 正「頭囲」
38ページ右上図
図中の「感覚性」と「運動性」を入れ替えてください
80ページ左上図
誤「前頭葉」 正「頭頂葉」
93ページ問題7の選択肢1
誤「外節」 正「外側」
133ページ右段4行目および図
「GIP」を「セクレチン」に置き換えてください(胃液分泌を抑制する作用は、GIPよりもセクレチンのほうが強い)
135ページ左段下から5行目以降を下記のように変更してください
「胃液と混合された食物がやってきて十二指腸内のpHが下がると、セクレチン secretin が分泌されます。セクレチンは膵臓に働いて重炭酸イオンの分泌を亢進させます。
もうひとつ、十二指腸の上皮細胞が蛋白質の分解産物などで刺激されて産生するのがCCK-PZです。CCK-PZ という名前は、このホルモンが持つ2つの働きに由来します。①胆嚢を収縮させて胆汁の排出を促進し (cholecystokinnin)、②膵臓からの消化酵素の分泌を亢進させます (pancreozymin)。
これらの消化管ホルモンは、すべてペプチドです。」
135ページ右上図を下図のように訂正いたします
147ページ図
「1回心拍出量」の範囲を下図のように訂正いたします
208ページ左段下から7行目
誤「前立腺からのクエン酸は精液をアルカリ性にし」
正「前立腺からのクエン酸は精液を弱アルカリ性にし」