低酸素応答の仕組みを発見した英米3氏のノーベル生理学・医学賞受賞について、連載「ええ加減でいきまっせ!」の仲野徹先生からコメントをいただきました。
低酸素応答というのは生体にとって非常に重要な働きです。たとえば、血液中の酸素濃度が低くなると腎臓でエリスロポエチンが分泌され、赤血球を増やします。その低酸素応答を見いだしたのがラトクリフで、低酸素状態によって誘導されるタンパク質HIF(低酸素誘導因子)を発見したのがセメンザです。そしてHIFを修飾するメカニズムを明らかにしたのがケーリンです。これらの発見により、腎不全によって起こる腎性貧血の治療薬の開発も進むようになったわけですから、とても大きな発見です。