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「変革に取り組み、未来への責任果たす」─日医・横倉会長所信表明

No.4914 (2018年06月30日発行) P.14

登録日: 2018-06-28

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24日に開かれた日本医師会臨時代議員会で、横倉義武会長が所信表明を行った。

横倉会長は、社会保障制度の精度を上げつつ、その安定性と持続可能性を高めるために「医療界をあげて自ら変革に取り組み、未来に対する責任を果たしていく覚悟を示すことが重要」と強調。変革に取り組むテーマとして①プロフェッショナルオートノミーに基づく医師の働き方改革、②かかりつけ医機能の拡充による地域医療の強化、③経済、財政、社会保障を一体的に考えた国づくりの推進─を列挙した。

1つ目の医師の働き方改革については、これまで地域医療は医師の自己犠牲ともいえる努力で支えられてきたと述べつつも「いつまでも医師への過度な負担に頼るわけにはいかない」と指摘。地域医療の継続性と医師の健康への配慮を両立するための具体的な方向性として、「医師の自主性・自律性を尊重し、さまざまな働き方を認めながら、地域単位で医療資源を最適化し、AIやICT等のテクノロジーでそれを補完する」との考えを表明した。

2つ目の地域医療の強化に関しては、「医学・医療への期待が生命と健康の保持増進から、生活問題全般へと広がる中で、医師は人を支援することの本来的な意義に立ち返り、その能力を広く患者や社会に還元していかなければならない」と強調。重視する地域医療の課題として、健康寿命の延伸、災害対策、子どもが健全に育つ医療環境を挙げ、「かかりつけ医機能の拡充を図り、継続的で包括的な保健・医療・福祉の実践を目指した地域医療を確立することで、医療に対する国民の信頼に応え続けたい」と意欲を示した。

3つ目の経済、財政、社会保障を一体的に考えた国づくりに向けては、「財政再建と社会保障の充実は一体になって進めていかなければならない」と指摘。「医療費削減に主眼を置くのではなく、健康増進を目的とした政策の結果として医療費が削減される取り組みを各地域において進めていくことが重要」と訴えた。

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