日本医師会は24日、役員就任披露パーティーを都内で開催した。安倍晋三首相や加藤勝信厚生労働相、二階俊博自由民主党幹事長、門田守人日本医学会連合会長など、政府・与党、医療関係団体の幹部をはじめ、約1800名が招かれた。
6月の会長選で当選し4期目を迎えた横倉義武会長は、会長に就任した6年前を振り返り、「高齢社会の中で、どのように地域医療を守るかが大きなテーマだった」と発言。かかりつけ医機能を向上し、地域に合った医療提供体制の構築に注力してきたことを強調した。4期目に当たっては改めて、「かかりつけ医を中心とした町づくりをしていくことが大事」と抱負を語った。新たに常任理事となった小玉弘之氏、城守国斗氏、平川俊夫氏、長島公之氏、江澤和彦氏については、「将来の医師会活動を担って継続してくれると思っている」と期待を寄せた。
安倍首相は、「横倉会長とともに医療制度のさまざまな改革に取り組んできた。持続可能性を掲げ、効率化を図っていくと同時に、医療の質をさらに向上させていくための改革を進めてきたところ」と強調。こうした改革の必要性について、「世界に冠たる皆保険制度を維持していくため」と説明し、今後も日医と協力していく姿勢を見せた。
また、横倉氏が会長に就任した2012年に、第2次安倍内閣が発足したことを紹介。9月に行われる自民党総裁選について、横倉氏の4選を「強引に結び付けようと考えている。まさに継続は力」と意欲をにじませた。
加藤厚労相は、医師の働き方改革を進めていく必要性を指摘。「日医を中心としてまとめた意見書を踏まえ、来年3月に向けて中身を詰めていきたい」とした。さらに医師の地域・診療科偏在の解消についても日医の協力を求めた上で加藤氏は、高齢者人口がピークを迎える2040年に向け、「保健医療水準の維持に加えて、健康寿命の延伸や医療介護分野の生産性向上といった総合的な改革を、国民議論のもとでしっかりと進めていく必要がある」と述べた。