社会保障審議会医療部会が27日に開かれ、電子カルテの規格を全国的に統一するよう厚労省に要望した。
この日厚労省は、6月に閣義決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018」「未来投資戦略2018」「規制改革実施計画」について報告。このうち未来投資戦略では、医療機関等における健康・医療情報の連携・活用を具体的施策として掲げ、全国的にデータ共有を行うための標準規格等を策定する方針が盛り込まれた。
これに関連して猪口雄二委員(全日本病院協会)が現在電子カルテの規格が統一されていないことを問題視。猪口委員は「国で(統一規格の策定)を力強く指導してほしい。そうすればデータも集めやすいし、医療費削減にもつながる」と訴え、これに他の委員も賛同した。また、山口育子委員(ささえあい医療人権センターCOML)は電子カルテの規格を全国的に統一することで医療安全上のシステム変更も全国的に行えるメリットを指摘した。
永井良三部会長(自治医大)も統一化の必要性を「重要な課題」と強調。「ぜひ必要な対応をとってほしい」と厚労省に要望した。
同日の部会では武田俊彦医政局長が退任の挨拶を行った。武田氏は「医療提供体制はすぐに方向転換が難しく、医師の養成も10年かかる。そのため、将来の方向をしっかり見据えた上で正しい方向に議論を進めることが大事だ」と述べ、今後の医療提供体制の議論に期待した。