厚生労働省の「がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議」(座長=中釜斉国立がん研究センター理事長)は1日、初会合を開いた。がんに関連する遺伝子変異を複数同時に測定する「遺伝子パネル検査」を保険診療下で実施するための要件として、ゲノム情報、臨床情報の登録を義務づける方向で一致した。
同会議は、関連学会や医療団体、患者団体の代表者を中心に構成。がんゲノム医療を提供する医療機関やがんゲノム医療情報の集約・管理・利活用の体制、質の担保された効率的な検査実施体制、データベースの構築などについて検討する。
遺伝子パネル検査は現在、先進医療での実施が進んでいる。厚労省は来年4月にも保険収載し、医療保険での遺伝子パネル検査の実施を拡大する考えを示している。なお、遺伝子パネル検査は、全国に11カ所あるがんゲノム医療中核拠点病院で実施・解析することとなっている。
ゲノム情報や臨床情報は、国立がん研究センターに設置された「がんゲノム情報管理センター」(C-CAT)に登録する。間野博行構成員(C-CATセンター長)は登録する臨床情報について、性別、年齢、がん種、使用した薬剤の有効性と副作用情報が求められると指摘した。
同会議では、中核拠点病院に紐づくがんゲノム医療連携病院でも遺伝子パネル検査や解析が可能になるよう、人材育成を推進する方針も確認した。