私は耳鼻咽喉科医ではあるが、おそらく日本でも数少ない「声」のみを専門とする医師の一人である。小学校3年時に喉頭外傷を受け、その手術をして下さった耳鼻咽喉科の先生に憧れ耳鼻咽喉科医になった。父はすでに他界しているが関西のMBSという放送局で「MBSヤングタウン」という、ある世代にはカリスマ的人気を誇った深夜ラジオ番組を作った名プロデューサーだった。
この深夜ラジオは現在まで、明石家さんまさん、笑福亭鶴瓶さんが引き続きパーソナリティとして番組を続けてくれている。当時深夜営業をしているレストランなどなく、また父が酒を飲まないせいもあってか、度々番組終了後にスタッフやパーソナリティが反省会をしに私の自宅に訪れていたのを記憶している。ざっと思い出しても桂文枝さん、西川きよしさん、明石家さんまさんなどのお笑いの方々から、谷村新司さん、イルカさん、やしきたかじんさんなどと一緒にお食事をしながら、番組をどうすれば面白くできるか?と真剣に議論・討論している話を末席で聞いたりしたり、時には歌ってもらったりもした。
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