厚生労働省が公表した2018年人口動態統計月報年計(概数)によると、老衰による死亡数が脳血管疾患による死亡数を上回り死因の第3位になった。日本人の3大死因は悪性新生物(腫瘍)・心血管疾患・老衰となった。2018年の死亡数は前年比2万2085人増の136万2482人。死亡数を死亡順位別にみると、第1位は悪性新生物の37万3547人(人口10万対死亡率300.7)、第2位は心疾患(高血圧性を除く)の20万8210人(同167.6)、第3位は老衰の10万9606人(同88.2)、第4位は脳血管疾患の10万8165人(同87.1)、第5位は肺炎の9万4654人(同76.2)である。全死亡者に占める構成割合は、悪性新生物27.4%、心疾患15.3%、老衰8.0%、脳血管疾患7.9%、肺炎6.9%などとなっている。
老衰は1947年をピークに減少傾向が続いていたが、2001年以降、死亡数・死亡率ともに増加。2018年には脳血管疾患に代わって死因の第3位になった。脳血管疾患は1970年をピークに減少し始め、1985年には心血管疾患と代わって第3位となり、その後は死亡数・死亡率ともに増減を繰り返しながらも減少傾向が続いてきた。悪性新生物は1981年以降死因順位の第1位となっており、2018年には全死亡者のおよそ3.6人に1人が悪性新生物で死亡したことになる。ちなみに当院では昨年約120名の在宅看取りがあったが、第1位は悪性新生物で、第2位は老衰であった。平均的なかかりつけ医が提供している在宅医療においては、老衰が上位になるのではないか。当院においてこれまでさまざまな経歴の医師が在宅医療に関わってくれたが、なかなか老衰と書いてくれない医師もいた。もし私が全部の診断書を書くならば、老衰が第1位になるかもしれない。