ノーベルファーマは12月9日、鼓膜穿孔治療剤「リティンパ耳科用250μgセット」を発売した。
同剤は、トラフェルミンを主成分とする凍結乾燥品1バイアル、添付溶解液1本、鼓膜用ゼラチンスポンジ1個のセット(写真)。同剤を用いた鼓膜閉鎖治療は北野病院の金丸眞一医師が考案した新しい治療法で、トラフェルミンを浸潤させたゼラチンスポンジを鼓膜穿孔部に留置、その後、組織接着剤で接着・閉鎖することで鼓膜の再生環境を保ち、鼓膜を閉鎖させる。
自家移植片を必要としないため低侵襲に治療を行うことができ、処置が簡便であることから外来での治療も可能とされている。
鼓膜穿孔患者を対象とした国内第Ⅲ相試験は、京大病院、慶大病院、先端医療センター病院(現・神戸市立医療センター中央市民病院)が医師主導治験として実施。観察期16週目の鼓膜閉鎖割合75%、観察期4週目および16週目の聴力改善割合はいずれも100%で、鼓膜閉鎖や聴力に対する有効性が示された。
鼓膜穿孔を効能・効果として同剤が承認されている国は海外になく、日本が初めてとなる。
「リティンパ耳科用250μgセット」の効能・効果
鼓膜穿孔(鼓膜の穿孔期間、穿孔状態等から、穿孔した鼓膜の自然閉鎖が見込まれない患者を投与対象とする)