小野薬品工業と生化学工業は1月6日、国内で共同開発を進めている変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)治療薬ONO-5704/SI-613について国内での製造販売承認申請を同日付で行ったと発表した。
ONO-5704/SI-613は、生化学工業独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤。
ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、ドラッグデリバリーシステムにより徐放されるように設計されたジクロフェナクの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つことから、変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)に見られる痛みや炎症を速やかに、かつ持続的に改善することが期待されている。
注射剤として関節腔内に直接投与するため、ジクロフェナクの全身曝露量が少なく、全身性の副作用のリスクも低いと考えられている。
ONO-5704/SI-613は、変形性膝関節症患者440例を対象とした検証的試験において、初回投与後12週間(4週ごとに3回投与)のWOMACスコア(膝の痛みの評価指標)でプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善効果を示し、膝以外の変形性関節症患者290例を対象とした臨床試験でも、股関節と足関節について主要評価項目を達成したとされている。
変形性膝関節症の国内患者数
国内での有症状患者数は約780万人と推計。特に女性に多く、70代女性の約70%が罹患しているといわれている