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【識者の眼】「地域における医師と看護師の連携・協働〜認定看護師・専門看護師・特定看護師とは」石橋幸滋

No.5016 (2020年06月13日発行) P.65

石橋幸滋 (石橋クリニック院長)

登録日: 2020-05-23

最終更新日: 2020-06-05

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看護師の役割は様々であるが、今までは医師の補助という立場として認識されていた。しかし、現在様々な認定・専門看護師が誕生している(参照)。彼らの臨床能力はきわめて高く、医師のサポート役として頼りになるだけでなく、患者にとって心強い味方になっている。

しかし、我々医師はどこまで彼らの存在や能力を認識しているだろうか。専門看護師が、看護師の免許を取得した上で、大学院修士課程以上の学歴を持ち、5年以上の臨床経験(特に専門分野で3年以上)があり、仕事をしながらその分野の専門教育(38単位)を受け、難しい試験を突破してやっとその資格を得ていることを多くの医師は知らない。認定看護師も同様で、修士課程以上の卒業資格という項目を除いた以外は、600時間の講義を含め専門看護師に負けない経験と勉強をしなければならない。

加えて、日本では彼らのような優秀な人材が十分な能力を発揮していない。それは、待遇面はもちろん、医師の細かい指示がなければ注射一本できないという医療法の規定があるためである。この状況を改善するために、「特定行為に係る看護師の研修制度(いわゆる特定看護師制度)」が2015年創設され、この研修を受けた看護師は、医師の包括指示のもとに患者の状態に応じた治療を自分で選択できるようになった。それでも米国のナース・プラクティショナーのように、医師の指示なく医療行為ができるわけではないし、できることもかなり限られている。しかし、今後このような臨床能力の高い看護師が、医師のパートナーとして身近に存在するようになれば、病院だけでなく地域の医療の質もさらに向上すると思われる。

【文献】

1)日本看護協会:専門看護師・認定看護師・認定看護管理者

   [https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/]

石橋幸滋(石橋クリニック院長)[多職種連携・協働]

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