菅義偉内閣が16日発足し、自民党で新型コロナウイルス関連肺炎対策本部長を務めていた田村憲久氏が厚生労働相に就任した。田村氏は安倍政権下の2012〜14年、厚労相を務めており、再登板となる。
初閣議後の記者会見で田村氏は「新型コロナ感染症への対応に全力を挙げていきたい。その上で、全世代型の社会保障制度をしっかりと構築するとともに、多様な働き方が選択できる働き方改革も進めていきたい」と表明。
菅首相より新型コロナ感染症に関し「検査体制の抜本的な拡充」「医療機関の支援など医療提供体制の確保」「全国民分のワクチンの確保」の指示があったほか、①出産を希望する世帯を支援するための不妊治療への保険適用、②オンライン診療の恒久化、③健康・医療・介護情報のさらなる利活用の推進、④介護の受け皿50万人分の整備─など多岐にわたる指示があったとし、「これらの課題に全力で取り組み、国民の皆さんの期待に応えられるように努力していきたい」と述べた。
これまで党コロナ対策本部長として政府に提言をしてきた田村氏は「(党の提言を受けて)政府のほうでかなり進めていただいた部分もあるが、できていないところもある」とし、季節性インフルエンザ流行期においても国民が安心して医療を受けられる体制を確保するために、1日20万人分の抗原検査キットの整備などに力を注ぐ考えを示した。
一方、16日に就任後初の記者会見を行った菅首相は「今取り組むべき最優先の課題は新型コロナ対策。欧米諸国のような爆発的な感染拡大は絶対阻止し、国民の皆さんの命と健康を守り抜く。その上で、社会経済活動との両立を目指す」と強調。
オンライン診療や不妊治療にも触れ、「ようやく解禁されたオンライン診療は今後も続けていく必要がある」「不妊治療への保険適用を実現する」と意欲を示した。