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【識者の眼】「かかりつけ医と地域包括ケア(5)」鈴木邦彦

No.5047 (2021年01月16日発行) P.60

鈴木邦彦 (医療法人博仁会志村大宮病院理事長・院長、茨城県医師会会長)

登録日: 2020-12-24

最終更新日: 2020-12-23

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私は2020年6月19日に、諸岡信裕前会長の後任として、地元の茨城県医師会会長に就任させていただきました。4期8年の日本医師会常任理事の経験を生かして頑張るつもりですが、目下は新型コロナウイルス感染症対応に追われています。

私が事実上日医の初代担当だった地域包括ケアシステムとかかりつけ医のうち、かかりつけ医をより安定したものにすることは、中川俊男会長を始めとする現執行部にお願いするしかありませんが、地域包括ケアシステムについては、退任後の2019年12月に、横倉義武会長(当時、現名誉会長)のご了解を得て、日本地域包括ケア学会(田中滋理事長、松田晋哉副理事長、事務局長は筆者)を設立させていただいたことから、引き続き全国レベルでも活動を継続できることになりました。なお、2021年3月21日(日)の第2回大会はオンラインで開催する予定で、現在参加者を募集中です。

ただし、地域包括ケアシステムは日常生活圏域毎に構築することになっていますので、地域でのよりきめ細かい取り組みが求められます。私は国レベルだけでなく、都道府県や市区町村レベルでも、行政と医師会を中心とする多職種の職能団体により、地域包括ケアシステムの推進体制を確立する必要があると考えておりましたので、会長就任後、県行政、四師会、介護・福祉系団体、リハビリ系団体との意見交換会を開催するとともに、2019年10月3日には第1回茨城地域包括ケア学会を開催いたしました。

現在、県行政とは2021年度に向けて、市町村毎に地域リハビリテーションを含む強力な地域包括ケアシステム推進体制を構築すべく協議中です。また、多職種の職能団体とは、そのために今後も定期的に会合を持つことになっております。

地域包括ケアシステムを構築するためにはかかりつけ医の役割が重要ですが、かかりつけ医機能を持つ医療機関がそれに取り組むためには、病院が「健院に」、医療法人が「人生応援法人」になれるように、非営利性を徹底する余り硬直化してしまっている医療法人制度自体の営利化ではない自由化が欠かせないと考えています。

鈴木邦彦(医療法人博仁会志村大宮病院理事長・院長、茨城県医師会会長)[地域包括ケアシステム⑤ ]

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