No.5049 (2021年01月30日発行) P.56
志賀 隆 (国際医療福祉大学医学部教授、救急医療部部長)
登録日: 2021-01-22
最終更新日: 2021-01-22
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響はまだまだ続いています。ですので、対面での研修医見本市はなかなか開催されません。でも年明けはリクルートに決定的な時期です。お困りの学生さんも多いでしょうし、必要な情報を提供したいと思う研修病院が多いでしょう。そこで活躍するのが昨年来行われている「オンライン説明会」です。
ある初期研修医の先生が専攻医プログラムを見学に行った際に、お食事を部長先生と専攻医の先生ととったそうです。その後、専攻医の先生が発熱し、初期研修医の先生が濃厚接触者となってしまったという事例もあるようです。これらを考えるとまずは、オンラインでの説明会が中心になっていきますよね。
もちろん研修プログラムの理念、特徴、ローテーションの実際などをプログラム責任者から説明できることが望ましいです。ただ、最も学生さんが望んでいて、しかもプログラムの宣伝になるのは、現在研修している初期研修医の先生方の「生の声」です。
やはりCOVID-19ですよね。個人用防護具(PPE)装着の必要性や感染リスクもあり、多くの研修医の先生方が、COVID-19によって教育の機会や手技の機会が減っている印象を持っているようです。ただ、感染者の国内初確認からもう1年を経過しています。いつまでも「今は特別だから」といって研修医の先生に我慢をさせるわけにもいきません。PPEの着脱の教育であったり、COVID-19のPCR検体の採取方法など感染症対策と研修がどうやって両立しているかを説明することが大事になります。
いかがでしょうか? オンライン説明会を何度かやった経験からの私の意見では「時間を短めに」「質疑にしっかりと時間を割く」などを大事にすることが重要かと思います。プログラムの特徴を見つめ直して、有意義なオンライン研修病院説明会となることをお祈りしております。
志賀 隆(国際医療福祉大学医学部教授、救急医療部部長)[研修病院説明会]