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特集:オンライン診療の利点と注意点

No.5051 (2021年02月13日発行) P.18

黒木春郎 (外房こどもクリニック理事長)

登録日: 2021-02-12

最終更新日: 2021-02-10

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1984年千葉大学医学部卒,同附属病院小児科医局入局。同大学文部教官を経て,2005年千葉県いすみ市に外房こどもクリニックを開業。日本遠隔医療学会オンライン診療分科会会長,厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関わる検討会」構成員。

1 オンライン診療とは
・オンライン診療=情報通信機器を使用したリアルタイムでの診療。
・オンライン診療を行うには,厚生労働省が定めた研修を受講する必要がある。
・オンライン診療料の施設基準に係る届け出も要する。

2 オンライン診療を導入するには
・実際にオンライン診療を行うには,専用システムを導入するか汎用サービスを利用する。
・厚生労働省が定めたセキュリティの基準を満たしている必要がある。

3 制度上の規則
・オンライン診療制度は,医師法での位置づけ,診療報酬体系での扱い,さらにCOVID-19対応に際しての時限的・特例的措置,と複雑になっている。
・2020年4月10日より時限的・特例的措置として,これまでの保険診療上の疾患制限は撤廃され,さらに,初診からも診療可能となった。

4 利点と注意点
・オンライン診療は非対面の診療であり,問診・視診で診療可能な状態であることが前提である。その適応は,ほぼ安定している事例,あるいは急性疾患でも軽症例である。
・日本プライマリ・ケア連合学会ホームページに適応例を示してある。

5 オンライン服薬指導
・オンライン服薬指導の導入により,患者は医療機関へも薬局へも出向く必要がなく,オンライン上で診療から処方薬の受け取りまでが可能となる。

6 初診での対応
・原則としてオンラインでの初診は,自院あるいは他院に受診歴があり,ある程度の評価ができている例が適応であろう。

7 時限的・特例的措置から見えてくるオンライン診療の将来
(1)子育て世代への医療支援
・今回の時限的・特例的措置では,オンライン診療の利用者は若年層が多く,各年齢層で発熱,上気道炎,湿疹,アレルギー性鼻炎など日常診療で遭遇する疾患が多数を占めている。
・オンライン診療は子育て世代への受療支援となる。
(2)非対面診療の優位性
・COVID-19の流行により,オンライン診療が非対面診療であることの優位性が世界的に強調されている。
・地域医療における発熱外来のファーストコンタクトとして,オンライン診療が有効に利用できる。
・感染を恐れて「受診を控えている慢性疾患の患者」への対応にも有効である。

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