それは8年前の1月も下旬の日曜日のこと。その日は母の三回忌で、喪服を着て実家のお寺に向けて車を走らせていた。運転を始めて間もなく脂汗が止まらないほどの前胸部不快感を認めた。自身の心臓の異変を確信した私は、同乗している妻に運転を代わってもらい、自宅に戻った。床に就くもこの症状は改善しないことを感じ、自宅から勤務先の病院に電話を入れた後、妻は119番に通報。駆けつけてくれた救急車に乗り込み、救急隊員とともに自らの心電図を見ると、それは明らかなST上昇を示していた。
病院に着くと多くのスタッフが私のために集まってくれた。ありがたかった。心エコーをあてると緊急カテーテル適応となる心筋梗塞。準備がなされ、心カテ室に運ばれ、右冠動脈の血栓溶解・吸引、ステント留置術を受けた(写真は右冠動脈内血栓)。手術は成功し、今ではこの体験を語れるぐらい元気になった。
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