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【識者の眼】「コロナ禍のオリエンテーション」志賀 隆

No.5058 (2021年04月03日発行) P.58

志賀 隆 (国際医療福祉大学医学部教授、救急医療部部長)

登録日: 2021-03-22

最終更新日: 2021-03-22

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3月も下旬を迎えています。先生方の施設では、新入職の医師の皆さんへのオリエンテーションの内容を考えましたか? 今年も新型コロナウイルスの影響があり、例年と全く違った形になると思います。とはいえ1年以上、新型コロナウイルスと格闘してきた我々は、オリエンテーションをただ自粛するのではなく、工夫をして開催することが必要ではないでしょうか。

まず懇親会についてです。やはりオンラインでの開催が良いのではないでしょうか。せっかく希望を持って入職してきた研修医や専攻医の先生たちがオリエンテーションクラスターとなってしまっては目も当てられません。

昼食の食べ方についても検討が必要です。スーパーマーケットの休憩室で昼食時にクラスターが発生してしまったり、鉄道会社の休憩室でクラスターが発生したという事例が報告されています。医局の休憩室でクラスターが起きてしまうと非常に大きな問題になります。そのため黙食を薦めることが重要と考えます。

オリエンテーションの内容に必ず入れないといけないことは感染症対策ですね。特に個人用防護具(PPE)の装着は欠かせません。新型コロナウイルスとの格闘はまだまだ年単位で続くと考えられています。その中でどのような診療科に就職したとしても、必ず感染症対策が必要になってきます。

心肺蘇生や手技の実践など集合型の実技研修における感染症対策は考えられていますでしょうか? 我々の施設では集合型の実技研修においてすべての学習者並びに指導者がサージカルマスクをつけ、目を保護するためゴーグルやフェイスシールドを装着して行うようにしています。

感染症に対応した新しい社会を作っていく中で、医療機関においても新しい形のオリエンテーションが求められています。先生方の施設でも、ぜひ新しい学習者の皆さんに感染症に配慮しつつ効果的なオリエンテーションを提供していただければと考えています。

志賀 隆(国際医療福祉大学医学部教授、救急医療部部長)[新入職医師]

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