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【識者の眼】「医薬品の一般名、商品名、ジェネリック医薬品名とは?」宮坂信之

No.5108 (2022年03月19日発行) P.62

宮坂信之 (東京医科歯科大学名誉教授)

登録日: 2022-03-08

最終更新日: 2022-03-08

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医薬品には一般名と商品名とがある。よく使われる薬では、アセトアミノフェンが一般名、カロナールは商品名である。ロキソプロフェンは一般名、ロキソニンが商品名である。さらに、ジェネリック(後発)医薬品にはロキソプロフェン、ロキソニンSなどがあり、ややこしい。

しかし、医薬品の一般名を知ることが重要である。その主な理由は、一般名を知らないと、異国の薬局で薬を買うこともできない。商品名となると、国によって異なる。

さらに、一般名がわかれば、添付文書を探すことのみならず、関連文献を探すこともできる。医薬品の有効性と安全性を調べるにはPubMedなどの検索エンジンを使うと便利である。商品名では文献検索はできないが、一般名を知っていれば副作用検索もできる。

一般名と商品名が大きく異なっていることを知らないと薬剤選択の間違いも起きる。サワシリンで皮疹が起きたことを患者さんが申告しているのに、同じ成分であるアモキシシリンが処方され、重篤な副作用が起こったことがある。アレルギー歴のある薬を再投与すれば、よりひどくかつ早く副作用が出るばかりか、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)やアナフィラキシーなどの重篤な副作用につながることもあり、危険である。ちなみに、このような医療行為は不適正使用と判断されてしまう。副作用がわかっていながら再投与をされているからである。場合によっては、医事紛争の対象ともなりうる。

先発医薬品の特許が切れると(出願から20年)、ジェネリック医薬品が出てくる。有効成分は同じで、開発費用も安く、そのため安価である。もちろん添加物が違う場合はある。今は薬局で患者さんによく効能や副作用を説明すれば、先発医薬品からジェネリックに変更できる。その方が患者さんの経済的負担が軽減するばかりでなく、国民総医療費も安く済む。

医療関係者が医薬品の一般名、商品名、ジェネリック名を知っておくことが必要である。

宮坂信之(東京医科歯科大学名誉教授)[医薬品名]

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