厚生労働省が3月23日の中央社会保険医療協議会総会に報告した、2020年度のDPC病院における「退院患者調査」の結果によると、DPC対象病院を含むすべての施設類型において病床利用率が大きく低下したことが明らかになった。平均在院日数や再入院率といった他の指標は前年度からほぼ横ばいで推移し、大きな変化は認められなかった。
調査はDPC導入の影響を評価することを目的に毎年実施されているもので、20年度は20年4月から21年3月までの間に調査対象施設から退院した患者の状況を分析した。調査対象施設のうちDPC対象病院は、▶大学病院本院群82施設、▶DPC特定病院群156施設、▶DPC標準病院群1517施設―の計1755施設。これらの比較対象となる施設のうち、DPC準備病院は248施設、出来高算定病院(DPCデータを提出しているDPC対象病院および同準備病院以外の病院)は3313施設となっている。
調査結果をみると、在院日数の平均は▶大学病院本院群12.25日(前年度比0.04日増)、▶DPC特定病院群11.46日(0.09日増)、▶DPC標準病院群11.99日(0.22日増)、▶DPC準備病院12.44日(0.14日減)、▶出来高算定病院13.34日(0.23日減)―と、いずれも前年度からほぼ横ばいで推移。
これに対して病床利用率はすべての施設類型で前年度から7ポイント前後減少し、▶大学病院本院群74.9%(7.4ポイント減)、▶DPC特定病院群77.9%(7.9ポイント減)、▶DPC標準病院群73.4%(7.6ポイント減)、▶DPC準備病院72.8%(6.0ポイント減)、▶出来高算定病院69.4%(6.0ポイント減)―となった。
また、退院後4週間以内に計画外の再入院をした患者の割合は、▶大学病院本院群3.4%(0.1ポイント増)、▶DPC特定病院群4.2%(増減なし)、▶DPC標準病院群4.4%(増減なし)、▶DPC準備病院3.8%(増減なし)、▶出来高算定病院4.0%(増減なし)―で、すべての施設類型において前年度とほぼ同等の水準となった。