福井県で慢性期医療や介護施設の運営に長年携わり、日本慢性期医療協会(日慢協)の副会長を務める。日慢協の理事に就任した当時から、今では常識となっている慢性期医療の「在宅医療を支援する機能」「リハビリ機能」の重要性を訴え続けてきた。「自分の実体験として在宅医療だけでは患者さんを最期まで看取るのは難しいと感じていました。日慢協を通じて発信しているメッセージは、地域の患者さんや他職種の声に真摯に耳を傾けながら、私自身が感じていることです」
慢性期医療に携わるきっかけは90年代半ばに遡る。消化器外科医として急性期医療を続けたい気持ちと、急性期医療のニーズが減少する地元とのギャップを肌で感じるようになった。地域の熱心な保健師から「介護予防をやりませんか」と声を掛けられたことに応え、95年にデイケアを開設。そこから福井県医師会の介護保険の仕事に携わり、いつしか「趣味は介護保険」というほど介護保険のエキスパートになった。
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