厚生労働省は3月24日、地域医療構想の今後の進め方に関する医政局長通知を都道府県知事宛に発出した。3月2日の「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」での了承内容を反映させたもので、民間医療機関を含む全医療機関に対して2022・23年度中に具体的対応方針の策定、検証・見直しを完了することなどを求めている。
通知は、都道府県では23年度中に「第8次医療計画」(24~29年度)の策定作業が行われ、その際に病床の機能分化・連携に関する議論が必要になることから、地域医療構想もこのスケジュールに合わせて22・23年度中に公立・公的・民間医療機関の具体的対応方針の策定や検証・見直しを行うと明示。このうち公立病院については、総務省の「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」に基づいて病院ごとに策定される「公立病院経営強化プラン」を具体的対応方針とし、地域医療構想調整会議で議論すると説明した。
地域医療構想調整会議の議論を活性化させるための具体案も提示。たとえば高度急性期・急性期機能を担う病床では、厚労省の診療実績の分析には含まれていない一部手術(胆囊摘出術や虫垂切除手術など)の実施状況や内科的な診療実績(抗癌剤治療など)、地理的要因を踏まえた医療機関同士の距離なども参照しながら検討することや、重点支援区域に対する技術的支援などを活用することなどを推奨した。
検討状況の定期的報告と公表も指示した。22年度は、22年9月末と23年3月末時点の検討状況(具体的対応方針の合意・検証済割合など)を所定の様式を使用して厚労省に報告するとともに、報告内容を都道府県のホームページ等で公表することを求める。また、重点支援区域は本来、都道府県からの申請に基づいて厚労省が選定することになっているが、厚労省が今後、全都道府県に対して申請の意向を確認予定であることを明らかにした。