治療用アプリ開発を手掛けるMedTechベンチャーの株式会社CureApp(キュア・アップ)は9月1日、「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」が保険適用されたことを受け、販売を開始した。CureApp HTは、医師の介入が難しい高血圧症患者への日常的な治療をサポートするアプリで、患者による血圧測定と医師の指導を組み合わせた三位一体の6カ月指導プログラムに対して保険が適用される。
CureApp HTは、DTx(Digital Therapeutics)と呼ばれる、エビデンスに基づいて臨床的に評価されたソフトウェアを用いて患者に直接医療行為を行い、幅広い種類の疾患や障害の治療、管理、予防を行う“デジタル治療”の1種。欧米を中心に採用が進み、医薬品や医療機器に次ぐ「第三の治療ツール」と期待されている。日本でDTxが保険適用されたのは、20年12月の同社の禁煙治療アプリ「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリおよびCOチェッカー」に続く2例目。
CureApp HTは、患者がスマートフォンにダウンロード後、医師が処方コードを発行して利用する。患者は毎日運動・食事などの情報や血圧値を入力、アプリの独自アルゴリズムで解析し、患者ごとに最適と思われる減塩や運動、睡眠などの生活習慣改善に向けた行動を配信、習慣化を図る。
医師は、患者の診療と診療の間における血圧管理だけでなく、プログラムの進捗や取り組みの状況を時系列で把握でき、ポイントを絞った指導が可能になる。医療機関がCureAppを利用するには、同社との契約が必要となる。利用料は、処方後に契約に基づく一定額を毎月同社に支払う。
診療報酬は、CureApp HTのアプリ利用開始時に「禁煙治療補助システム指導管理加算」(140点)と「血糖自己測定器加算」(830点/月1回)を算定、2カ月目〜6カ月目は血糖値を毎月60回以上計測した場合に「血糖自己測定器加算」(830点)を月1回算定できる。患者の自己負担額は初回が2910円、以降は毎月2490円となる。